短期連載Quipper CTOより 第4回: スタディサプリ開発の裏側

4th Mar, 2016 | quipper

リリース完了

スタディサプリ高校講座/大学受験講座を無事リリースすることができた。 大きなトラブルもなくリリース後数日での「数字」的なものもとりあえず一安心という状況だ。

人生何度ものリリースを経験してきたが、今回のリリースは今までとは違う大変さがあった。

このプロジェクトが始まったのはリクルートの昨年のQuipper買収後少し経ってからになる。既存の受験サプリをQuipperプラットフォームに載せ替えるというのが大きなお題だ。リリース予定は2016年2月末。教育業界、季節性がとても大きいのでこのデッドラインは遅らせることのできない厳しいものだ。

また、今回はシステム面の置き換えだけでなく、受験サプリからスタディサプリへのブランド統合も同時に行った。Quipper開発陣も当然のことながらこれにも関わることになった。

そして、受験サプリからの継続ユーザーもたくさんいるので、課金機能などは既に受験サプリにあるものから大きく変えることができない。またサービスの質という面でも既存の受験サプリから落とすわけにはいかない。

ただ、今回のシステムを載せ替えるにあたり、現行の受験サプリであまり使われていない機能を落としたり、複雑なものをQuipperが考えるよりよい方法で再実装したりもできた。二つのシステムを統合したら機能が増えすぎて複雑になってしまいそうなものだが、逆に本当に必要な機能を見極めるいい機会と捉え、コアとなる部分だけを備えたすっきりとしたサービスにできたと自負している。

サーバー構築という面では、今まではHerokuやMongoLabなどを使っていたのだが、今回は、今後の更なるQuipperの世界展開も見据えてということと、ユーザーが日本からということでわざわざアメリカにサーバーを置くこともないだろうということで(HerokuのPrivate Spacesも検討したが今回は見送り)、AWS上に自分たちですべて構築したというのも大きい。この辺の話は スタディサプリ on Quipper プラットフォームを支える技術 に詳しくある。今後、Quipperの日本以外の地域でも順次この方向に切り替えていく予定だ。

そして、今までQuipperの展開国でのシェアが少ないことから開発を行っていなかったiOSアプリだが、日本というiPhone大国でiOSアプリなしというわけには行かないので、この開発もチーム作り含め0から行った。

つまり、既にたくさんのユーザーに使われしっかり軌道に乗っているサービスのリプレースであり、更にデッドラインがしっかり決まっていて、かつそのデッドラインが半年以上先の巨大リリースであり、クラウドとは言え自前でのサーバー運用に切り替え、しばらくの間QuipperがしてこなかったiOSアプリ開発も行い、同時にブランド変更もあり、課金含む重た目の機能の仕様もほぼ決まっていて機能を落とすことができないものも多い、というなかなか辛いプロジェクトだった。Quipperは、短いサイクルでのリリースを主にしているので、こういう開発は正直得意とは言えない。

ただ、そこは柔軟で経験も豊富な開発者が揃っているQuipper開発陣、なんとか対応してリリースにこぎつけることができた。手前味噌にはなるが本当に強いチームだなあ、と思っている。

リクルートのチームとの関係

そして、プロジェクト開始当初もう一つの大きな課題だと感じていたのが、リクルートマーケティングパートナーズの皆さんとの融合だった。元々、彼らがサービスやブランドをじっくり育ててきた受験サプリというものをQuipperのプラットフォームにするということで、心理的な抵抗もなくはなかったと思うし、プロジェクトの進め方も、それまで彼らがしていた外部組織での開発からチーム一丸となった開発へと大きく変えてもらった。また上で書いたように、より良い(とQuipperが考える)サービスにするために機能を落とすことにも同意してもらったりもした。Quipperが歩み寄った部分もあるが、全体的には7:3くらいで多めに向こう側に歩み寄ってもらったという感じを受けている。また、Quipperのいいところを消さないようにとだいぶ気を使って貰っていた感じもする。今後はさらに、どちらの会社側という言うことなく、スタディサプリチームとして更に一体となって進んでいくことになっている。

今回リリースしたサービスとQuipperにとっての意味

今回のサービス構成だが、基本的には、既にQuipperが海外で展開しているQuipper School / Quipper Videoに受験サプリのコンテンツを載せ、同時に日本独自の課金システムを載せ、それにあわせ登録フローの変更だったり、会員体系の持ち方を日本仕様にしたり、デザインをスタディサプリ仕様のものにしたり、一部スタディサプリ専用機能を実装したりが主なところだ。

また、スタディサプリは、Quipperコンテンツと比較し動画でのレッスンが占める割合が大きいので、動画回りの使い勝手を向上させるために、Quipperとの共通部分もかなり作り直した。これを先行リリースしたのが、去年の夏頃にリリースした インドネシアでのQuipper Videoになる。先日同じものをメキシコでもリリースした

このようにベースとなる一つのサービスを世界で展開していくのがQuipperの基本戦略の一つだ。開発サイドとしては、今回、日本の開発メンバーを中心にスタディサプリという日本市場向けにサービスの改善も行ったが、同時に、良くしたものがインドネシアやメキシコでもリリースされるというお得感もある(サーバーは日本とその他で分けている)。

今後

今回のリリースで、開発側は一息つけるので、ここで体制等を見直し、これからのスタディサプリを含むQuipperサービス全体のクオリティ向上や、新サービス/新機能開発をどう行っていくかということを現在検討している。各国のマーケットのニーズをどう統一したサービスに取り入れていくのかが大きな課題だ。この辺の話を次回以降このブログで書けたらと思っている。

いつもの

そんなQuipperですが、開発チーム全ポジション積極採用中です。