たまには読んだ本の感想。ちょっと前の本だし、有名どころだけどお世話になったので感謝の気持ちを込めて。
プログラミング言語などの新しい技術を習得するとき、最初の数日〜数週間は本を集中して読むことにしている。Web+検索エンジンは知りたいことがわかっている場合には便利だけど、何も知らない状態ではやはりまだ本に分がある。ある程度の知識を得てからはWebに頼り、一通りわかるようになった後で再度本を漁るという感じが多い。今のところこれが最速学習法だと思っている。
重い腰を上げ、Rubyを本格的に始めたのが半年ほど前。そのときに読んだ本の中の一冊がこれ。何冊か目に開いた本だが、今思えば最初に読むべきだったと強く思う。
この本は、他の言語をそれなりに知っている人がRubyを初めて学ぶ、ということに完全にフォーカスしている点が本当に素晴らしい。「入門〜」「はじめての〜」「〜日で覚える〜」系の本は、簡単過ぎたり、(自分の知識に対して)冗長過ぎていたりするのだが、この本はそれがほとんどない。また、Ruby系の良書で「アジャイル」とか「デザインパターン」とか「Rails」とかとセットになっているのは英語含めいろいろあるのだけど、Ruby単体を学べる良書というのは意外と少ない。やっぱり何か学ぶには基礎をしっかりやるべきなので単体で学べるのは嬉しい。
それなりにプログラミングの経験があると自負しているが、最初から最後までページを飛ばすわけにはいけない作りになっている。すべてのページがとても濃い。1度読んだ後も、開発中(今も)手元に置いてしばしば手にとって復習している。
(余談。この本を読んで思い出したのが、たのしいUNIX、という本。始めてUNIXを学んだのがこれだった。それも同じような雰囲気を持った本だった。平易な文体だが勘所は抑えている入門用の本。読んだのが10年以上前で、もう売ってなさそうだけど、今でも*NIX入門者にはそれなりに通じる本だと思う。最初にどういう本を読むかって重要。)
これだけRubyがメジャーになってくると、学習の立ち上がりの部分でだらだらやってられないので、こういう本である程度の知識まで駆け登れるのは本当に素晴らしい。後発学習者のお得なところ。
(個人的な)唯一の欠点は英語版がないこと。同僚に勧められない。1.9完全対応版とか出るならぜひ英語でもお願いしたいところだ。
サポートページ: http://yugui.jp/wiki/LearningRuby
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